-English version has been posted separately-
-英語版は「Rider on the Storm  Part Ⅰ: Amesbury」のタイトルにて別個に掲載中です-

ロンドンから車で2時間ほどの古都・ソールズベリーに3泊4日の釣り旅に出かけてきました。
当初は先週末からの予定でしたが、嵐「デニス」の上陸により中止、週明け出発しました。

今回の目標は
"レディ・オブ・ザ・ストリーム"と称されるグレイリングを釣り上げること。
そしてイングランド南東部最高地点のウォルベリー・ヒルに登頂すること。

第2日目から釣り開始。

ソールズベリーは5つの河川が市内を流れる川の街。
今回はその主流ともいうべきエイヴォン川を釣りました。
その中でもグレイリングが期待できるというエイムズベリー地区へ。
地元の釣具屋にて遊漁券と餌を買い求め釣り場へ。
さいわい釣り人は私ひとり、貸切状態。
ところがはじめの数時間は小さな雑魚がぽつぽつと掛かるだけで虚しく経過…
上流へつり上がって行くと嵐と大雨の影響か歩道を含む一帯が氾濫原と化し、先に進めなくなっていました。

諦めて引き返すと二人の若者が竿を出しています。
彼らによればグレイリング釣りにはやはりこのエリアが最適とのこと。
もう少し粘ってみることにしました。

何度か仕掛けを投入しているうちに、手前の枯れ枝に釣り糸が引っかかってしまいました...
忌々しさにひとり悪態をつきながら絡みをほどいでいると
なにやら弱々しい引きが…
ゴミが引っかかったのかな?
リールを巻いてみると魚の手応え。
まもなく水の中で翻る白銀の魚体が現れました!
そして...
大した抵抗もないまま目標の、人生初のグレイリングが揚がってしまいました。
まぐれあたりのようでもありファイトらしいファイトもなかったことから、拍子抜けしましたがそれでも
その異名に違わぬ艶やかな姿、
天女の羽衣を思わせる長い鰭…
素晴らしい野生の渓魚には違いありません。

エイヴォンの恵みに感謝!

釣果に満足してしまい、また寒空が雨模様になってきたこともあり早々に納竿。
イングランド南東部最高地点であり鉄器時代の要塞が残るというウォルベリー・ヒルへ向け車を走らせました。
どこまでも続く美しい牧草地と林間を抜けるドライブはこころが洗わせるようでした。
折からの雹が横殴りに吹き付ける中
駐車場からぬかるんだ小道、そして草地を20分ほど歩いて三角点を冠する山頂に到着。
眼下の四方に広がる南イングランドの田園と森...
それは聖歌"エルサレム"にうたわれる情景と重なりました。

ちなみに今回はイギリスでの初の単独ドライブ旅行となりました。
交通法規や道路標識などはほぼ日本のそれと変わりませんが、
駐車のルールやラウンドアバウトなど知識と慣れが必要なこともあります。
便利な無料アプリにいろいろと助けられました。

・Highway Code...イギリスの交通法規やルールを網羅。ドライブ前の予習に最適。
・Waze...サテライト・ナビゲーションアプリ。交通状況や事故・被災地・渋滞回避ルートを表示してくれ、スピードカメラや警官の位置も教えてくれる。
・Spotify...音楽のストリーミングアプリ。洋楽が好きな人、スマホで移動中に音楽を聴きたい人にはコンテンツが充実しているのでおすすめ。運転中ナビを表示させながらバックグラウンド再生が可能なので便利!有料だと思っていたら無料のバージョンもあるんですね。

文明の利器にも感謝!

追記;英語ヴァージョンは別エントリー「Rider on the Storm  Part Ⅰ: Amesbury」をご覧ください。


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 本日の釣り場。

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諦めてかけていた時に出た!人生初の野生のイングリッシュ・グレイリング!
35cmぐらいだったでしょうか。


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"沢のレディ"の名に相応しい流麗な魚体。紫、時に緑がかる長い鰭を纏って。

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ウォルベリー・ヒルへの往路。
雨脚が早まる、路肩に沢が出来る、倒木や折れた枝が道にはみ出す…
雲行きが怪しくなってきました。

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至るところで冠水中。
走行不能のため引き返しを強いられることもしばしば。

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ウォルベリー・ヒル山頂に立つ鉄器時代の要塞跡。

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近影、反対側から。

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その手前に設けられた三角点。

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その近影。

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羊たちは雨風の中ひたすら草を喰む。

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路肩に露出する白っぽい、半透明の地層。

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この石質を通して濾過された雨水がイングランド特有の清流・チョークストリームを生む。
清冽な流れにしか生息できないグレイリングやブラントラウトなどの鱒類にとっては、命を育むかけがいのない環境なのでしょう。

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丘の上より南イングランドの田園地帯を望む。

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至るところに雉がいます。美味しそう…

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ズームイン。